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2016年。
今年も暮れてゆきます。
今年は子供と新アトリエが生まれた年でした。
仕事は少しずつ再開したものの、
子育て優先の今、制作はスローペース。
制作することも外出することもままならないけれど
zum Beispielの活動を発信したいなと、
夏にFBページをはじめ、インスタグラムをはじめました。
少しずつですが見てくださる方が増え、
お問い合わせくださる方が増え、
嬉しい反応をいただけることは
家にこもっている私にとって大きな励みとなっています。
皆様、
今年も一年ありがとうございました。
来年は・・・
やはり育児優先になりますけれど、
もう少しだけ動きのあるお知らせができたらと思っています。
公園の企画運営チームの方から電話をいただいたのは
手紙を出して1週間後のことでした。
やはり中に入って落ち葉を採ることは
少し難しいかもしれないとのお返事でした。
ただ・・その落ち葉を使った作品を
公園の展示スペースで展示するというような目的があれば、
もしかするとOKが出るかもしれないとのこと。
寄贈でも展示でもするので
収穫できるようにしてもらいたい旨を伝え、
返事待ちとなりました。
*
それから1か月ほど経ちました。
忘れられてしまったかなと心配になったころ、
電話が鳴りました。
結果は・・・
「理由はどうあれ、
立ち入り禁止区域に一般の人が立ち入ることはできない」
そういう国からのお達しとのことでした。
やっぱりね。
がっかりはしましたが、
想定内の返事ではありました。
ところが、そのあと
「ただし、今年だけということなら
スタッフが替わりに落ち葉を拾いますがどうでしょうか?」
とのご提案。
むしろこちらの方が想定外で驚きました。
「国から許可がおりなかった」
と結果を伝えるだけでもいいはずなのに、
ちゃんとこちらに配慮してくださったのです。
「今年だけ」という条件ではあるけれど、
その配慮をとても嬉しく思い、
ありがたくお願いすることにしました。
*
対応してくださった方は
こちらの要望をていねいに聞いてくださいました。
紅葉も終盤の頃になると
木の様子を写真でお伝えくださったり、
わからないところは質問してくださったり、
きれいそうな葉っぱは分けて収穫してくださったり。
思う以上によくしていただきました。
その気持ちがありがたく、本当に感謝です。
ただ今年は11月におかしな雪が降ったりで、
あまりいい落ち葉を収穫できなかったのは残念でしたが。。
*
結果はともかく。
公園の方とやりとりする中で思い出したんです。
何年か前にこの公園で
「もっともっと」と落ち葉を拾っていた時に
葉っぱの神様(自分の直感のようなもの)に言われたこと。*
「自分の手に負える分だけ拾いなさい。
自分の手に負える分だけ落ち葉を収穫し、
それでできる分だけ作品をつくる。
それでじゅうぶん。
あなたはその少しの落ち葉と少しの作品で
ちいさな暮らしを立てることができるよ。
だいじょうぶ、自然はよくできているよ。
必要な分だけ手に入れて
身の丈にあわせて種をまく。
そうすることで暮らしていけるようにできている。」
私は落ち葉でステンドグラスをつくるようになって
この葉っぱの神様にいろんなことを教えられてきました。
いつも禅問答のような少し難しいことを言われるのだけれど、
なぜか心の底から腑に落ちて、それは正しいとわかる。
このときも本当にはっとさせられて、
胸がどきどきして止まらなくなったことを覚えています。
自然(本質)に沿っているのなら、
必要な時に必要なものが手に入るようにできている。
紅葉するハクモクレンの葉が手に入らないと気を揉むのではなく、
自分が本質から外れていないかどうかということに気を配る。
本質から外れていなければ、
それが必要であるならば、
それはまた必ず手に入る。
だから自分は淡々と仕事すればいい。
この一連の出来事はそんなことを思い出させてくれたのでした。
まだ葉っぱのステンドグラスを実験的に作っていたころ、
私は紅葉するハクモクレンの木に出会いました。
ハクモクレンの葉が朱色に紅葉するのはとても珍しいことです。
普通、ベージュ〜黄色になったあと茶色くなるのですが、
この木は朱色〜赤に変わる葉が出るのでした。
*
その木は昭和記念公園という国営公園の中にありました。
一日では回りきれないほど広大な公園で、
ハクモクレンの木もあちこちに植えられています。
けれど私の知る限り、紅葉する木はたった1本だけ。
たまたまその1本に出会えたことは幸運でした。
以来ハクモクレンの葉は私にとって欠かせない素材です。
特に赤くなるものは。
モミジのように鮮やかな赤はすぐに退色してしまうのに対し、
ハクモクレンの赤は地味だけれど退色しにくいのです。
これはステンドグラスにとって
とても重要なことなのでした。
*
去年のことです。
落ち葉を収穫するためにそのハクモクレンのもとへ行ってみると、
木の植わっているあたり一帯が柵で囲われ閉鎖されていました。
!?
理由はよくわからないのですが、
去年までなかった金属の柵ができ、鍵がかけられているのです。
私はその場で公園の人に事情を話し、
落ち葉を拾わせてもらえないかと掛け合ってみました。
・・・が、結果はNG。
しかも今後もこの場所は秋には閉鎖になるとのことでした。
それはつまり赤いハクモクレンの葉を収穫できなくなる、
ということです。
困ったことになったな、と思いました。
もちろん他に紅葉するハクモクレンの木がないか探しています。
けれどやはり見つからないため、
今年は国営公園に手紙を送ってお願いしてみることにしました。
この木の落ち葉でしかつくれない作品の写真を添えて。
つづく
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